名人位、クイーン位の第4戦を中心に展開したこの46巻ですが、特筆するようなことは多くないかなと感じました。なんというか、読者の気持ちと漫画内の登場人物の気持ちが合ってないというか、熱量の違いが気になる。
早速気になるのが千早の1勝に大喜びの周囲の反応。もうだめかと追い込まれた1戦だから嬉しいのはわかる。勝利の瞬間盛り上がるのもわかる。でもいつまでたっても大盛りあがりなのに違和感を感じる。千早の夢を理解しているなら、たった1勝にそこまでの価値は無いでしょう。クイーンになるにはまだまだ劣勢状態なわけで1勝にかまけている暇は無い。あの盛り上がり方は「あー、周囲の仲間でさえも詩暢に勝てると思ってなかったのね」と思わせるには十分なお祭り騒ぎだった。千早も千早で「倒した」という表現を使ってて軽く見過ぎなのは冷める。詩暢が無敗のクイーンでもない限りあの盛り上げ方は違和感でした。
そして詩暢の激昂ぶりもちょっといきなり過ぎて共感性が乏しかった。着物が重いまではわかるんだが千早の襷にキレ散らかすのよくわからん。「手の届く人間やと思うとる」と気づいたあとならまだ納得できるんですがねー・・
周防名人の幼少期の取ってつけたような百人一首の詠み聞かせエピソードもそうだが、全体的に感動を作り出すための撒き餌感が強い。
46感の見どころとしては新の覚醒の予感くらいでしょうか。でも、新が永世名人としての皮を破って”新”になったからとて都合よく強くなるってのもいまいちわからないので、次巻でどう理由付けしていくのか楽しみです。