2021年7月22日公開の映画を見てきましたので、感想を書きます。内容に触れながら書いていきますのでネタバレ注意でお願いします。
ネタバレ有り
見る前は捨て犬や殺処分の悲惨な現状を犬の力で訴える映画だと思っていましたが、これは犬部で行動する人の力で得も言えぬ感動を作り出している映画でした。何がエゴで何が大事かを意識しながら、命へのひたむきさをそれぞれが正しいと思う行動で全力で訴える。その姿が「生き物たちに私は何をしてこれたか、足りていないんじゃないか」と考えさせられ、犬部の頑張る姿に涙するといった感じでした。まさか犬のいないシーンで泣くとは思っていませんでした。私は中川大志さん演じる柴崎が過酷な現実で潰れてしまったことを知った後、過去の元気な柴崎さんを見て泣いてしまいました。これだけ素晴らしい志を持ち、沢山の努力をして、優しい思いをもってひたむきに命に向き合ってきた彼が、そうだからこそ命の重圧に絶えられなくなってしまったのだということが容易に想像できてしまい、そこまで全力で向き合えるカッコよさに涙したといった感じです。
もちろん、わんちゃんもすごいですよね。実験犬として脱走を繰り返すニコちゃん。林遣都さん演じる花井には心を許したように寄り添いながら、人を信じていないような冷たい表情をしている点とか、今までのどのタレント犬より凄さを感じました。今までは犬に表情まで演技していると感じたことはなかったのですが、ニコちゃんについては本当に恐怖を感じとれました。
そして、立場上悪い人に描かざるを得ない教授、院長、ペットショップにもちゃんと敬意があるというか、悪い人のまま終わらせない美学を感じました。このあたりに「元は好きで動物に携わった人」という理念というか前提というか、人として信じていたい思いを感じます。
こんな感じでとにかく細部に愛があり、ドキュメンタリーとかメッセージ先行の説教臭い映画になることは無く、ちゃんと映画らしい映画でありながら現実離れせず説得力も残すという素晴らしいバランスの取れた映画でした。
ただ、何点かは気になることはありました。まず、引きこもった柴崎がキレイすぎる(笑)。潰れて引きこもって2年でしょ?(製薬会社営業っていうのも嘘だと思っている)もっとヒゲモジャ髪の毛ボンバーであったほうがリアルだった。とはいえ、そんな状態ででてきたら話が入ってこなさそうではあるけど(笑)
あとは、時間軸がちょっとごちゃ付いたかな。過去の話なのか今の話なのか、年代が出ているときはいいのだけどそれ以外がイマイチ分かりづらかった。整理すると
2000年 花井と柴崎が保健所で出会う。太郎と花子と出会う
2003年 犬部発足
2019年 現在
て感じですよね?これに川瀬(おそらく小1)→川瀬(おそらく大4)みたいな時間軸が入ってくる。順番が2003年→2019年→2000年→川瀬(おそらく小1)→川瀬(おそらく大4)みたな流れ。みててちょっとだけ「今いつ?」ってなった。その疑問も短い時間だからあまり気にならないですけどね。
いやー、めっちゃ泣いてめっちゃ良かった。私も何か力になれるように行動しようと思います。まずは飼っているうさぎを愛でたいと思います!